レーザ発振器の選び方
『レーザ加工の難しさ』でレーザ加工工法の3大重要要素をご説明しました。 ここでは、その3大要素のひとつであるレーザ発振器(レーザの特性)について、レーザ発振器が持つ条件を考慮に入れ、レーザ発振器の選定方法をご説明します。 |
1.レーザ発振器がもつ条件
レーザ加工におけるアプリケーションのすべてに言えることですが、レーザ加工を検討する際に最初に検討しなければならないのがレーザ発振器です。 レーザ発振器の選定における条件には、波長、出力、パルス幅、発振モード(連続波、パルス波)があります。これらの条件から、アプリケーションの条件を満たすためのレーザ発振器の条件を導出する必要があります。 |
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@ 出力(W) | |
レーザ光の出力が高いほど、 @ 加工速度が向上 A 加工深さが深くなる B ビーム分岐が可能 C 発振器の価格が向上 D 製品サイズが大きくなる など |
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A 発振モード(連続波/パルス波) | |
【連続発振の特徴】 @ 出力値を連続して発振 A 加工は熱加工になる B 高出力を得やすい C 溶接や切断に多く使用されている |
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【パルス発振の特徴】 @ 出力値をパルス状に発振 A 熱的影響を抑えた加工ができる B 繰返周波数やパルス幅との関係で加工条件を 導出する必要がある C 微細加工など熱的影響を回避する加工に向いて いる |
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B パルス幅(S) | |
【パルス幅の加工への影響】 パルス幅とは、パルスレーザから発振された1パルスあたりの時間幅のこと。 @ パルス幅が短いほど熱影響が少ないが 加工量が少ない。 A パルス幅が長いほど熱影響が出やすいが 加工量が多い。 |
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C 波長(nm) | |
【波長と加工の関係】 波長が長い赤外線レーザ加工は、熱的な要素が大きく熱加工が支配的である。 これに対し、波長が短い紫外線レーザ加工は、アブレーション加工とも呼ばれ、非熱加工が支配的である。 以上を踏まえて、レーザ発振器の選定方法をみていきます。 |
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