モニタリングの必要性
レーザ加工における生産品質は、レーザ発振器と光学系により導出された加工条件を加工品質基準内に再現することで維持されます。モニタリングは、実際の生産ライン上における生産品質を維持するばかりではなく、モニタリング情報を駆使することで生産ライン固有の品質基準を構築することが出来ます。 |
1.モニタリングの必要性
光学系でも述べましたが、加工条件が加工対象物上で再現されることで加工されます。 そこで、レーザ発振器、光学系、加工対象物などのバラツキにより加工条件が本当に再現されているかを確認するために必要なのがモニタリングです。 特に、レーザ加工の場合は、加工にやり直しが出来ないため、生産ライン上で如何に不良品を排除するかが重要になってきます。 |
2.生産品質管理上のモニタリング
モニタリング方法にもいろいろありますが、品質管理を目的としたモニタリングでは、加工条件が再現されているかどうかの確認を行うことが必要になります。 そのため、“加工条件”と“加工条件が再現されない要素(バラツキの要因)”で何をモニタリングするかを決定することが重要になります。 例えば、レーザ発振器のレーザ出力のバラツキが加工条件の再現に大きく影響する場合は、光学系上でレーザ光の出力を加工しながらリアルタイムに確認できれば良品/不良品の判断が出来るようになります。 しかし、レーザ溶接などの場合は溶け込み具合等がどのようになっているかをリアルタイムで観察したところでその判断は難しく、加工後の確認も容易でないため、溶接加工中に溶接箇所から生じる反射光、プラズマ光や戻り光などの強度をモニタリングすることで正常に溶接されているかどうかの判断が必要になります。 |
2.品質基準の構築
溶接などにおける加工箇所からのリアルタイム情報を光で確認する場合、加工対象物の材料特性や加工内容により品質基準そのものが変化します。 更に、加工が要求する品質レベルによってもモニタリングする情報、モニタリング情報の判断基準が異なるため、生産ライン毎に品質基準(モニタリング基準)を構築する必要があると言えます。 |